日本建築家協会と大光電機が主催する「建築家のあかりコンペ2009」に応募した照明器具デザインです。
テーマは「日本のあかり」でした。
日本の楼閣建築には、月にまつわる装置が多数あります。
例えば慈照寺(銀閣)には「洗月泉」という滝がありますし、桂離宮の古書院には有名な「月見台」があります。
銀閣の場合、義政の目的が正面の「月待山」から登る月を見るためだったともいいます。
そして、これら楼閣建築に欠かせないのが庭の池です。本来の月以上に水面に映る月を観賞できるように綿密に計算して作りあげています。
この照明器具「UKIZUKI -浮月-」は水面に映る月をイメージしてデザインしました。
先の桂離宮には「浮月の手水鉢」というものがありますが、ネーミングはそこから頂きました。水を汲みに行くと手水鉢の中に月が浮かんでおり、柄杓から落ちた水玉がその水面を揺らす、そんな情景でしょうか。
部屋の明かりを落として、一つだけ灯してみたい照明です。
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